心臓ペースメーカー(PM)装着者らでつくる「日本心臓ペースメーカー友の会」(本部・東京)の県支部が、発足から間もなく半年を迎える。県内には推定五千人のPM装着者がいる一方、会員数は三十五人にとどまっている。自身も装着者の宇都宮市議、西房美支部長(72)は「一人で悩む人は多いはず。交流を通じ、助け合っていきたい」と会への参加を呼び掛けている。 (小倉貞俊)
西さんが体に異変を感じたのは七年前。運転中などに一瞬、意識を失うようになった。健康診断では異常は見つからなかったものの、一昨年十一月の精密検査で心臓の拍動が五秒間止まる不整脈と診断され、急きょPMを体内に植え込む手術をした。
PMを装着してからは、携帯電話や電磁調理器具の扱いに注意が必要になり、不安や気苦労が絶えない日々だったという。友の会の存在を知り「県内の装着者同士で経験を共有していければ」と、支部設立に奔走。四月五日に、全国二十六番目の支部をスタートさせた。
友の会本部によると全国のPM装着者は三十万人おり、会員は四千人。県支部も小所帯でPRもままならないため、まだまだ周知は不十分。西さんは「勉強会や懇親会などを定期的に開き、会員百人を目標に頑張りたい」と意気込んでいる。
県支部は二十五日、宇都宮市文化会館で「日常生活における電磁波問題」をテーマに上村佳嗣・宇都宮大大学院准教授の講演会を開く。問い合わせは西さん=(電)028(627)2333=へ。
【宇都宮】日本心臓ペースメーカー(PM)友の会の県支部設立総会が五日、明保野町の市文化会館で開かれ、PMの装着者ら約五十人が集まった。
同会は心臓PM、除細動器(ICD)の装着者、医療従事者、医療機器メーカーなどが組織。県支部は全国二十六番目の支部となる。
設立準備委員会の西房美代表が初代支部長に選ばれ「自分も一昨年十一月にPM植え込み手術を受け元気になったが、その後も悩みはある。皆で助け合う会をつくりたい」とあいさつ。その後、勉強会や茶話会などを開催する本年度事業計画などが承認された。
友の会の堀原一会長は「会はPMを使う人の不安解消を助ける。皆さん念願の支部設立ができた」と祝った。また記念講演会では自治医大循環器内科の三橋武司准教授が「ペースメーカーと共に生きる」と題して、電池の寿命や電磁障害などについて解説した。
「日本心臓ペースメーカー友の会」(本部・東京都世田谷区)の栃木県支部設立総会が5日、宇都宮市明保野町の宇都宮市文化会館で開かれた。
患者や医者、医療機器メーカー関係者らが出席。自治医科大循環器内科の三橋武司准教授が講師として招かれ、「ペースメーカーと共に生きる電磁障害や電池寿命等」と題して記念講演を行った。「飛行機に乗ること自体は問題はないが、金属探知機でのチェックはペースメーカーに影響する可能性がある」「電磁調理器具やIH炊飯器の使用には注意が必要」などと説明し、出席者は真剣に耳を傾けていた。
友の会は昭和45年、健全な日常生活の確保などを目的に設立され、本県支部は全国で26番目の発足となる。支部長に就任した宇都宮市議の西房美さんは「相談する人がおらず、困っている人をいかにすくい上げていくかが今後の使命だと思っている」と述べた。